『電話相談−現代のアジール 
長岡利貞 著
ほんの森出版 定価(本体2,300円+税) *品切れ・重版未定
2010年12月発行 A5判 232ページ ISBN978-4-938874-75-9 C3011 

<一言コメント>
黒電話からケータイ時代まで、電話相談の社会的・文化的側面を丁寧に考察した本です。

<『電話相談−現代のアジール』という書名について>
 アジールとは、「通常の法の及ばない、民衆の避難所」のことです。人類は古代から、そのような場をもっていました。特に中世ドイツで発達し、多くの場合、教会・修道院がそれにあてられましたが、森・旅籠・パン焼き小屋・渡し船など、様々な場がアジールとなり得ました。近代国家は法の及ばない特別な空間を認めるわけにはいかず、アジール権は国家に回収されていきました。現代では、亡命者の保護・公館への駆け込み・野戦病院・精神鑑定・少年法……などに、その痕跡をとどめるだけとなっています。
 著者は「アジールのもつ、非日常性・国際性・自由性・自律性・責任性は、そのまま電話相談活動につながっている」と考え、この書名がつけられました。

<立ち読みコーナー>

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<著者略歴>
(本書初版時)
長岡利貞(ながおか としさだ)
愛知県に生まれる。現名古屋大学卒。愛知県立高校教諭、愛知県教育委員会指導主事、同教育センター教育相談研究室長を経て椙山女学園大学人間関係学部教授。学校教育臨床担当。この間、社会福祉法人愛知いのちの電話協会訓練委員長、理事、理事長を務める。現在は愛知電話相談ネットワーク代表として地域における電話相談の理論化と実践にあたる。
所属学会
日本学校教育相談学会名誉会員
日本自殺予防学会会員
日本電話相談学会名誉会員
著書・論文等
『中・高校生の自殺予防』東山書房、1980年
『高校生とオートバイ』私家版、1988年
『青少年の自殺』(共著)同朋舎、1988年
『欠席の研究』ほんの森出版、1995年
その他、電話相談に関する論文多数。


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