ほんの森ブックレット “問題行動の意味”にこだわるより“解決志向”で行こう
おわりに
いかがでしたか? 簡単に読めましたでしょ?
なかには、本当に一時間で読み終えられた方もいらっしゃるでしょう(だから六八〇円でも高いって?
まあそれは、出版社のほうに言ってください)。
でも、もしお気に召しましたならば、もう一度(一度とは言わず何度でも)お読み返しいただければ幸いです。ふざけた文体で書かれていますから、どうしても思わず猛スピードで読み飛ばしてしまうでしょうが、私としては、どこの部分にも、心理療法やカウンセリングを考える上ですごく大事なこと(そして結構哲学的なこと)を盛り込んだつもりなんです。
もちろんここに書いてあることは森の考えであって、異論があるのは当然のことです。でも、この辺りのことをきちんと考えておくことが、臨床に携わる上では不可欠なことだと思います。だから、読みながらいろんなところで、どうぞどんどん引っかかってください。ここはよくわからないとか、ここは違うんじゃないかとか、ここはとんでもないとか。そうしていただければ、私としては本望です。どこにも引っかからずに、ただ面白いなぁで読み終えてしまわれるよりも(まあ、別にそれでもいいですけど。つまんないよりは)……
こういう大事なことを、もう一度私に考えさせ、そしてそれをきちんと(あんまりきちんとしてないけど)文章にして表わす機会をお与えくださり、しかもその際、表現上のすべての自由を私にお与えくださった佐藤編集長には、心より感謝申し上げます。そして、文面中いろいろダシに使わせていただいたこと、心よりお詫び申し上げます。また、この連載のブックレット化にご尽力いただき、編集作業を一手に引き受けてくださいました小林さんにも、紙上からではございますが、厚く御礼申し上げます。
聞くところによりますと、これを機会に「ほんの森ブックレット・シリーズ」の製作を開始されるとのこと。ご発展をお祈りしております。私の四年目の連載「コンサルテーションの話」も、よろしくね!
二〇〇一年一月
森 俊夫