『<タイプ別・段階別>続 上手な登校刺激の与え方』(小澤美代子/編著 ほんの森出版)

 はじめに

 学校に来られない子どもたちに、どのように手を差しのべたらよいのでしょうか。学校は楽しいことばかりではないし、休みたいと思うときもあるけれど、それでも子どもたちの多くは、不登校にならずに学校に来ています。むしろ、喜んで学校に来る子ども達のほうが多いと言ってよいでしょう。その中で、休んでしまう子、来ようと思っても来られない子、気持ちを閉ざして会うこともできない子がいます。その子どもたちに、学校や相談機関は、何ができるのでしょうか。
 その援助の手がかりを、平成15年、「登校刺激」をキーワードとして出版しました(『上手な登校刺激の与え方』ほんの森出版)。
 今回は、これをもう少し発展させて、「見立て」をキーワードにして、対応に役立つ「タイプ分け」と不登校状態が経過していく「段階」について述べ、不登校への対応の手がかりを示したいと思いました。そのうえで、「見立ての視点」とそこからどのような「対応(登校刺激)」が導き出されるか、その結果、子どもがどのように「変容(成長・回復)」するのかを、事例を通して具体的に述べたいと考えました。
 また、学校の中では、さまざまな人がかかわっているために情報が集約されにくく、見立てをすることがむずかしい状況があります。それぞれがよかれと思って行ったことでも、必ずしもよい効果が生まれるとは限りません。かかわりが行き詰まったときに、「次の一手」をどう導き出したらよいかについても述べたいと考えました。
 本書では、相談機関や学校で、日々子どもたちの教育と支援に携わっている方々の協力を得ることができ、より実践的で充実した内容になりました。
 不登校の子どもたちに対して、何をしたらよいのかと、日々模索している先生方に、そして、その援助の手を待ち望んでいる子どもたちに、本書が役に立つものであることを願っています。            (小澤美代子)

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